最近Pythonの興味と同時に、統計に興味が湧いてきたので、資格のお勉強などしてみようかと思っています。しめさばです。
で、この資格、ぴったりあてはまるテキストが無さそうなので、過去問を一つ一つ丁寧に勉強しながら書いていこうかと思います。
問1
ある産業に新たに需要が生じ、その需要に応じて生産活動が拡大するとき、原材料や資材などの取引や消費活動を通じて、他の産業に次々に影響を及ぼすことを経済波及効果という。経済波及効果を計測するために有用である産業連関表を初めて作成した経済学者を選べ。
① アドルフ・ケトラー
② アダム・スミス
③ エティエンヌ・ラスパイレス
④ ワシリー・レオンチェフ
⑤ レオン・ラルラス
産業連関表(さんぎょうれんかんひょう、英: Input Output Table)は、産業ごとの生産・販売等の取引額を行列形式にした指標。英語の頭文字を取ってI-O表とも。アメリカの経済学者であるワシリー・レオンチェフが、1936年にアメリカを対象として作成したものが最初である。一般均衡理論を現実の経済に適用しようとする試みであり、レオンチェフ自身によればカール・マルクスの再生産表式から着想したとされる
正解 ④
産業連関表の理論(総務省)
診断士の勉強の時に表の見方を勉強した気がするけど、作成した人の名前は分からん・・・。
関連知識
アドルフ・ケトレー:確率論などの自然科学の手法を社会現象に適用しが学者
アダム・スミス:市場のメカニズムを提唱した経済学者。著書『国富論』、近代経済学の父。 「市場経済において、各個人が自己の利益を追求すれば、結果として社会全体において適切な資源配分が達成される」
エティエンヌ・ラスパイレス:ラスパイレス指数(消費者物価指数)を作成 。
昔の生活(基準年の消費動向)を基準として、購入費用が「現在どれだけ増えたか」を示すもの
レオン・ラルラス:経済学的分析に数学的手法を積極的に活用し、一般均衡理論を最初に定式化した。ワルラス的調整過程→価格面での需給調整
問2
1947年に設立された国連統計委員会は、国際的な統計精度の頂点に位置する存在である。国連統計委員会は国連経済社会理事会によって選出される24の委員国の代表24名(1国1名)によって構成されている。我が国は1962年から1969年まで、および1973年から現在に至るまで委員国を務めている。
国連統計委員会に関する記述について、最も適切なものを選べ。
① 国連統計委員会は、毎年テーマを設定して、そのテーマに基づいた統計の作成を国連加盟国に義務付けている
② 国連統計委員会は、国民経済計算(SNA)などのマニュアルや基準、ガイドラインの整備を行っている。
③ 国連統計委員会は、産業分類などの国際分類を作成せず、国連加盟国に分類の作成をゆだねている
④ 国連統計委員会は、国連加盟国の各種統計を個別に審査し、改善を指示している。
⑤ 国連統計委員会は、西暦の末尾が0と5の年に限って国連本部において委員会を開催している。
国連統計委員会の概要(総務省)
主な活動手法
1.専門家グループの設立を承認し、その活動状況及び成果を集中的に審議
2.基本的な考え方・ルールの定立
3.プログラムも作成及び推進(IT的なプログラムという意味ではない)
4.基準(標準)、ガイドライン、マニュアル等の整備
5.国際分類の設定
6.データベースの整備
正解 ②
問3
統計法において公的統計とは、行政機関、地方公共団体又は独立行政法人等(以下「行政機関等」という)が作成する統計とされている。また、統計法における統計調査とは、行政機関等が統計の作成を基底として個人又は法人その他の団体に対し事実の報告を求めることにより行う調査とされている。他方、公的統計のうち行政機関等が行う世論調査の結果として作成される統計は、統計法における統計調査ではないとされている。
世論調査が統計法における統計調査に該当しない理由について、最も適切なものを選べ。
① 世論調査は、民間事業者に委託して実施しているため。
② 世論調査は、電話調査によって行われ、調査票を用いないため。
③ 世論調査は、母集団名簿を用いることなく調査対象を抽出しているため。
④ 世論調査は、調査提唱者に報告義務がなく、虚偽の報告も許されるため。
⑤ 世論調査は、調査対象者の意見・意識など事実に該当しない項目を調査することを目的にしているため。
統計法ではどんなことが決められているの?
(なるほど統計学園)
統計法における統計調査は、事実の報告を求めるものに限られている。
思想などの内面的意識の調査は、統計法における統計調査に該当しない。
① ×
統計法の統計調査でも民間事業者に委託する例がある。
② ×
統計法の統計調査でも電話調査を行う事がある。
③ ×
統計法の統計調査が必ずしも母集団名簿の作成を求められているものではない。
④ ×
統計法の統計調査でも、調査対象者に報告義務は無い。
⑤ ○
上記のとおり、世論は事実といえる証拠が無い、内面的意識の調査であるため、統計法における統計調査に該当しない
正解 ⑤
問4
統計法に関する説明について、最も適切なものを選べ。
① 統計法は、公的統計を作成するに当たり、利用者の声を反映させるために、公聴会の制度を定めている。
② 統計法は、行政機関に統計部局を設置することを義務付けている。
③ 統計法は、公的統計だけでなく、民間事業者が作成する統計にも適用される。
④ 統計法は、行政機関等が行う統計調査として基幹統計調査と一般統計調査を、地方自治体等が行う統計調査として指定統計調査を定めている。
⑤ 統計法は、統計が社会経済情勢の変化に応じたものになっているかどうかなどを勘案し、公的統計の整備に関する基本計画を定期的に作ることを定めている。
統計法について(総務省)
① ×
統計法には公聴会の制度規定はない。
② ×
統計法には、統計部局の設置を義務付ける規定はない。
③ ×
統計法は、公的統計に関する定めなので、民間事業者は適用外である。
④ ×
統計法の公的統計は「基幹統計」と「一般統計」のみであり、「指定統計調査」は適用外。ちなみに「指定統計調査」は旧統計法で定義された統計調査の種類。
⑤ ○
統計法第4条
”政府は、公的統計の整備に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、公的統計の整備に関する基本的な計画を定めなければならない”としており、
同条5項
”国民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする”
とされている。
正解 ⑤
問5
統計の作成方法と種類に関して、適切なごくの組み合わせを選べ。
=====
統計には、(ア)統計と(イ)統計という2つの区分がある。
(イ)統計は、(ア)統計を基に作成されるものであり、国民経済計算、産業連関表、消費者物価指数などが含まれる。
(ア)統計はさらに、登録・届出などをもとに作成される(ウ)統計と、何らかの調査を行うことによって集められた情報から作成される(エ)統計に分けられる。
①(ア)加工 (イ)一次 (ウ)調査 (エ)記述
②(ア)一次 (イ) 加工 (ウ) 調査 (エ)業務
③(ア)一次 (イ) 加工 (ウ) 業務 (エ)調査
④(ア)加工 (イ)基幹 (ウ) 調査 (エ) 記述
⑤(ア)基幹 (イ) 一次 (ウ) 業務 (エ) 調査
統計(WIKI)
┏ 一次統計:業務統計から直接得られる統計
┃ ┣ 調査統計:統計調査によって作成される統計
┃ ┗ 業務統計:行政記録(届出等)情報によって作成される統計
┗ 加工統計(二次統計):一次統計を加工するなどして作成される統計
正解 ③
関連知識
基幹統計:国勢統計、国民経済計算、その他国の行政機関が作成する統計のうち、総務大臣が指定する特に重要な統計のこと
問6
統計調査の実査(実際の調査活動)の流れを次のように分けた。統計調査の実査の流れの説明として適切なものを選べ
① 機械受注統計調査(内閣府)は(A)の流れで実施している
② 国勢調査(総務省)は、(B)の流れで実施している
③ 人口動態調査(厚生労働省)は(C)の流れで実施している
④ 就業構造基本調査(総務省)は、(A)の流れで実施している
⑤ 学校基本調査(文部科学省)は、(B)の流れで実施している
ここで問われている事は、調査対象者へ調査票を届ける方法。
① ×
機械受注統計調査は、内閣府が実施する一般統計調査。
内閣府から直接送付されているので(C)
② ×
国勢調査は、総務省が実施する基幹統計調査で、統計調査員から配布されているので(A)
③ ×
人口動態調査は業務統計に該当する。
市区町村が保健所を通じて厚生労働省に報告している
④ ○
就業構造基本調査は、総務省が統計調査員を通じて調査票を配布している
⑤ ×
学校基本調査は、文部科学省が実施する基幹統計調査。
統計調査員は設置されておらず、省、県、村がそれぞれ学校へ調査票を送付している
正解 ④
問7
人口統計の中には、現在の人口を表わす統計だけでなく、将来の人口を予測する加工統計もある。
=====
厚生労働省の(ア)は、長期的な日本の人口を予測した「(イ)」を公表した。1人の女性が生む子供の数が今と変わらない場合、人口は2053年に1億人を割り、65年には15年比3割減の8808万人になる。働き手の世代(生産年齢人口)は4割減とさらに大きく減る見通しだ。
資料:2017年(平性29年)4月11日 日本経済新聞(抄)
=====
(1) (ア)(イ)に入る組み合わせを選べ。
①
(ア)経済社会総合研究所
(イ)日本の将来推計人口(平性年推計)
②
(ア)経済社会総合研究所
(イ)平性28年10月1日現在将来予測人口
③
(ア)労働政策研究・研修機構
(イ)日本の将来推計人口(平性29年推計)
④
(ア)国立社会保障・人口問題研究所
(イ)日本の将来推計人口(平性29年推計)
⑤
(ア)国立社会保障・人口問題研究所
(イ)平成28年10月1日現在将来予測人口
(2)この記事について適切なものを選べ
① この人口統計は、国勢調査を基にして10年ごとに作成されている。
② この人口統計では、1人の女性が生涯で産む平均的な子供の数(合計特殊出生率)に仮定を置いている。
③ この人口統計では、将来の出生推移、死亡推移に関して複数の仮定を設け、仮定の組み合わせにより計16通りの推計を行っている。
④ この人口統計では、国際人口移動は考慮していない。
⑤ 働き手の世代(生産年齢人口)とは、20歳以上60歳以下の人口のことである。
(1)の問うている事
有名な統計の調査実施機関の知識
①、② ×
経済社会総合研究所は内閣の施設等機関で、GDPに代表される国民経済計算体系の推計作業、公表を行っている
③ ×
労働政策研究・研修機構は、厚生労働大臣を主務大臣とする独立行政法人で、労働に関する総合的な調査、研修を行っている
④ ○
国立社会保障・人口問題研究所は厚生労働省の施設等機関で、人口動態や内外の社会保障政策や制度の研究を行っている。
⑤ ×
この人口統計の名称が誤り。
正解 ④
(2)の問うている事
人口予測に関する新聞記事の知識
① ×
この人口統計は5年ごとに実施される国勢調査結果を基に5年ごとに作成されている。
② ○
③ ×
この人口統計では、将来の出生推移、死亡推移について、中位、高位、低位の3仮定を設け、その組み合わせによる9通りの推計を行っている。なお、この記事に使用されているのは出生中位・死亡中位推計である。
④ ×
生産年齢人口は15歳以上64歳以下の人口のことである。
正解 ②
問8
国または地方公共団体が実施する統計調査については、実施過程の一部が民間事業者に委託されることがある。民間事業者への統計調査の委託内容や委託された民間事業者の業務について適切なものを選べ。
① 民間事業者の調査員は非常勤の公務員となるので、公務員としての守秘義務が課せられる。
② 国が統計調査の実施を民間事業者に委託する際には、事前に統計委員会の承認を得なければならない。
③ 国または地方公共団体が民間事業者に委託できる統計調査は、郵送調査またはインターネット調査に限られている。
④ 調査票情報の取り扱いに関する業務を受託した民間事業者には、統計法上の守秘義務は課せられていないので、契約で守秘義務を課すことになる。
⑤ 統計法により、民間事業者の調査員にも守秘義務が課せられる。
問うている事:民間事業者の役割や統計法との関係
① ×
民間事業者が公務員になることは無い。
② ×
委託時に統計委員会の事前認可が必要とは統計法に記載が無い。
③ ×
調査法に制限は無い。
④ ×
統計法第41条により、民間事業者にも守秘義務を課すことが明記されている。
⑤ ○
同上
正解 ⑤
問9
経済産業省が実施する商業統計調査は、「卸売業、小売業」に属する全国の事業所を調査対象としている。平成26年商業統計調査の調査対象に含まれていない事業所を選べ。
① クリーニング店
② ガソリンスタンド
③ リサイクルショップ
④ ペットショップ
⑤ 店舗を持たない通販業者
ポイント)
産業分類に関する知識
クリーニング店は大分類「N-生活関連サービス業、娯楽業」のため、対象外である。
正解 ①
問10
下記の(ア)~(オ)の統計調査の企画に関する正しい説明の組み合わせを選べ。
=====
(ア)
統計利用者にとって得られる調査結果の利用価値が高いと期待されるのであれば、既存の他の統計調査によるデータが活用できる場合であっても、その調査の実施を優先すべきである。
(イ)
調査目的やどのような内容の調査結果が必要かということを常に念頭において、統計調査の企画を進めるべきである。
(ウ)
多くの有用な情報を得るために、できるだけ多くの調査事項で調査を行うように統計調査の企画を進めるべきである。
(エ)
調査の対象は、調査目的、調査結果及び調査の技術上の難易度などを考慮した上で、属性的範囲、地域的範囲、時間的範囲といった観点から具体的に決めるべきである。
(オ)
個人に対する統計調査では、調査対象を漏れなくとらえるために、調査対象さである個人に調査票を直接配布・回収する方法を検討すべきである。
=====
① (ア)(ウ)
② (ア)(オ)
③ (イ)(ウ)
④ (イ)(エ)
⑤ (エ)(オ)
ポイント)
実務的な観点から問うている。
(ア) ×
調査の企画は、既存データでは必要なデータが得らない、調査の実施が必要である場合に限り、統計調査の実施を企画すべきである。利用価値が高いからといって、既存データで賄える調査は優先すべきではない。
(イ) ○
企画・設計のどの段階でも調査の目的を念頭に置かなければならない。
(ウ) ×
調査事項が多いことが、必ずしも有益なデータとなるわけではない。調査事項は必要最小げにとどめる配慮が必要。
(エ) ○
調査対象は具体的に決める必要がある。
(オ) ×
調査単位は、必ずしも個人というわけではない。調査単位の設定も目的を念頭に置いて設定する必要がある。一般的に個人を調査対象とする統計調査では、世帯を調査単位として実施することが多くなっている。
正解 ④
あとがき
うーん、統計というより統計回りの実務的な「知識」を問う資格なのかしら。
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